人体 失敗の進化史
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人気ランキング : 2126位
定価 : \777
販売元 : 光文社
発売日 : 2006/06/16 |
価格:\777
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わたくしはなになにで成功したという本より
どれだけ失敗と名をうった作品
のほうがたのしいかしれない。
失敗力とかいう本?もあったような。
いつもわたくしが思うのと同じように地球という玉が
ある中にカビのように生まれ策略をもって感情をあやつる
そのたもろもろ、人ほどにくたらしく愛らしい製作物はない。
人体のさまざまな部分の声なき声がきこえてくるような一冊
ぜひ一読推奨!!
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内容はとてもおもしろかったです!
でも、どうして「失敗」なのでしょうか?この著者は何を以って「失敗」といっているのでしょうか?この本の中ではっきり失敗といっているのは「行き詰った失敗作」という章なのですが、その部分は本文244頁で23頁です。それでこのタイトルをつけるのも‥‥と思います。
この本の内容はほとんどが「最初の設計図とは違う使い方をされる」機能の進化の話なのですが、私にはそれは必死で生きる生物のけなげさで、「失敗」とは思えないのです。どうも行間から文明批判や皮肉、マイノリティの僻みのようなものを感じてしまい、著者が遺骸に対する謙虚さを謳えば謳うほどしらけた感じを受けました。
自分の考えを書くのならもう少し素直に表現したほうが共感する人も多いし、謙虚さも感じられるのではないでしょうか?内容がおもしろかっただけに残念です。
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動物の遺体の解剖を専門とする比較解剖学者(?)の手による熱気溢れる新書。動物の身体構造の進化を取り上げ、その個々の変化がいかに行き当たりばったりなものであるかを笑いを交えて論じている。タイトルに「人体」とあるが、人体そのものの話は取り上げられる全トピックの半分程度。
我々はよく「機械と比べて動物のからだの仕組みというものは実によくできているものだ」というような言い方をするが、これはかなり的はずれな理解であるようだ。著者とともに動物の身体の進化の跡を辿ってみると、動物の身体というものが、理に適った効率的な設計どころか、度重なる場当たり的な増改築によっていまや奇怪な形状を呈するに至った温泉旅館のごときものであることが次第に明らかになってくる。個々の動物に許されているのは、抜本的な構造改革のチャンスではなく、祖先から受け継いだ身体の設計図に対する部分的な変更に過ぎない。ある器官が本来の目的とは全く異なる目的のために供されることも多々あり、様々な動物の身体をじっくりと見てみれば、動物の身体に記録されている紆余曲折や迷走の跡を見つけることができる、というわけだ。
本書にはもう1つ重要なテーマがあって、著者の提唱する「遺体科学」にもとづくメッセージがそこかしこに散見される。科学的知見については冷静に、しかし、そういった科学的知見を生み出す科学のあり方については非常に熱く語っており、それが本書の発する異様な熱気の源となっている。ちょっと力が入り過ぎているきらいもあり、かえって白けてしまう読者もいるのではないかと思うが、著者が本当に大切にしているテーマはむしろこちらなのではないかと思う。
文学的な物言いが多用されており読み始めた当初は違和感をおぼえたが、慣れてきた頃には著者の話にグイグイ引き込まれてしまった。
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著者は,同じ起源を持つ器官が形や働きを異にするものに変わるさまを,設計図の書き換えや設計変更という言葉で説明している。ユニークで面白い表現であるが,この表現では,生物が自分の意思で進化を起こしたようにも読める。進化を生じさせた機構については,まだ解明途中なので,この表現は進化に対する解釈のひとつとしてイメージできればいいのではないか。
人間の進化を失敗作とする文脈は,重力との関係や骨の配置などから考察したものであり,面白かった。なるほどと目から鱗が落ちる感じである。しかし一方では,人間は欠陥商品である割にそれなりに発展できているのだから,なかなか大したものだという見方もできるだろう。
最後に,著者は専門的な事柄だけではなく,現在の研究者や学会が抱える問題を,解剖学者の立場から浮き彫りにする。それまでの軽快な文章とは反対に,著者の地道な研究暦に裏打ちされた重たい文章だ。基礎研究の大切さは,全ての学問分野に係るものである。行政に関わる人たちに認識してもらいたい問題だと思った。実は,著者が一番訴えたいのは,この最後の部分だったのかもしれない。日本という国の科学に対する考え方こそ,失敗の進化をしてしまったかのようだ。
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失敗とは意図に反してできるものだが、進化がなにものかの意図によって起きていると著者が主張しているわけではなくて、出版社側の事情による書名であろう。ともあれ、人体を特定の機能を付与するという目的において眺めた際に、一見不合理な部分があるように見える、それが種の進化の観点からどう説明されるのか、というような主題。
しかしそれだけでなく、人体と言わず長年にわたって解剖に携わった著者は、学問のあり方についての独自の主張を展開する。ということで、論旨がいくらかゆがんでいる。それに、この本の出版の約4ヶ月前に同じ著者が講談社現代新書から「解剖男」を出している。「解剖男」が生物一般を扱っているのに対して、この本は人間に焦点を当てたその続編として読んだほうが著者の進化に対する考え方や、解剖に対する姿勢との対応がよくわかる。
ともあれ、この道を深く極めたものとして、著者の人体構造に対する見識の深さには感心してしまう。
失敗という、意図を前提とした解釈に立って人体の進化を見ると、逆に何者かの意図が働いているとは信じられないくらい人体構造は不可思議だ。つまりは本の題名とは逆に、何者かの意図を否定することにつながる。著者の、死体に対する醒めた視点はそこまで見通しているのだと思う。